
ロイ・マスタングは暇だった。本当にその時は、それだけだったのだ。
Black Lily
「等価交換をしようか」
ロイは二人きりになった瞬間を狙って少女にそう提案した。
少女は金のおさげをゆっくり揺らして、不審そうにロイを見た。その顔立ちはとても美しい部類に入るのだろうが、いかんせんまだ幼かった。事実、少女はようやく十代に入ったような年齢で、正真正銘子供だったのだ。
けれど子供ゆえに子ども扱いされることを嫌う少女は、錬金術らしく『等価交換』という言葉が大好きだった。
「へえ? いいよ。何?」
意地の悪そうな顔で少女はロイを挑発した。
こういうところが子供だと思う。まだ何の条件も言っていないのに交渉を了承したのだ。他でやれば――例えば悪知恵の働く人間に言ってしまえば簡単につかまってしまうだろう。
今、自分が捕まえようとしているように。
「賢者の石の情報と、君の身体」
いつも通りの声音だったはずだ。
この稀有な金色を汚す想像をして高ぶった欲望の色は決して見せない。もちろん見せないだけでこの時点で脳内で少女を思い切り蹂躙していたわけだが、
少女の反応はロイの想像通りだった。
「はあ? あんた頭おかしくなったんじゃねえの?」
本気でロイを心配しているような顔で、少女は心底気持ち悪いものでも見るかのように眉をしかめて見せた。少女はこういったことに潔癖なきらいがあることをロイは知っていた。そして今この反応が、少女にとっては自己防衛のようなものだということも、知っていた。
「……大佐?」
ロイは何も言わない。言わずに、少女が怖くなって震えるのを待つ。
何も言わずに不気味は笑みを浮かべている大人に、予想通り少女は恐怖を覚え、無意識にソファーの上で後ずさった。
今、この子供は恐怖を感じている。
もし今弟の存在を引き出せば簡単に従順な犬になってくれるだろう。普段ならそれで十分だし、効率がいい。
しかしロイは暇だったのだ。暇をつぶしたくてこんなことを持ち掛けているのだから、エドワードが従順になってはつまらないと思ったのだ。
だからそれ以上の情報を与えずに、エドワードの腕をつかんだ。
「な、なんだよ大佐、――大佐!!」
金色の瞳が恐怖に彩られていくのが分かった。それはロイに快感を与える。
いつも傲慢で尊大な態度をとって弱い自分を隠している子供を暴くのはなんて楽しいんだろう。少年のふりをして旅をし、少女としての感情を切り離したこの子供を犯したら、この子はいったいどうなってしまうんだろうか。
ああ……ゾクゾクする……。
冷たいほほえみを浮かべたまま無言でエドワードの服をはいでいくロイに、エドワードは状況を把握できなかった。自分が何をされているのかわからない。これから何が起こるのかもわからない。
でも、いいことは起きない。
男の手は思っていたよりも太くて硬い。こわばった身体をがんじがらめにするように掴み、一切の抵抗を許さない男の手。自由な方の男の手がエドワードの下腹部を撫で上げてようやく、エドワードは男の目的が『ソレ』であることに気付いた。
「や、やだ! いやだやめて!!」
気づいてしまえば嫌悪感が沸き上がった。この男はエドワードの恋人でも何でもない。そんな男が、自分を愛していない男が、自分を犯そうとしている現実に頭がパンクしてしまいそうだった。
ロイの手がエドワードのタンクトップをまくり上げようとしたところでようやくエドワードは全身の力で抵抗することができた。
「やだやだやだ! やめろ!! 俺に触るな!!」
「黙りたまえ。誰か入ってきたらどうする」
「はっ、それで困るのはてめえだろうが!! 叫ばれたくなきゃ手を離せ!!」
「なるほど。レイプ未遂の被害者になることは構わないと」
多くの女性は自分が襲われたという事実を他者に知られることを嫌う。その後一生、レイプ被害者という認識が付きまとうからだ。
だがエドワードにそんなことは関係なかった。……というより、そこまで考えが至らなかったのかもしれない。
とにかく今はこの男の手の届く場所から連れ出してくれるのなら何でもよかった。誰でもよかった。自分の知らない男になってしまった大人から離れることができるのであればなんだって。
「たしかに中尉に知られたら私は殺されそうだな」
「だったら」
「ああ、大丈夫だ。それまでに君は言えなくなっているから」
「え……?」
パン、と、音。
じんじんと痛む、頬。
「私はね、犬の調教に手は抜かないタイプなんだ」
――それが、恐怖の始まりだった。
「たすけ、やめ、何して!!」
ロイはまずエドワードの腕を自分の飾緒をワンタッチで外すと思いやりも何もない力で縛り上げた。手の平が合わせられないよう交差させて血がうっ血してにじみ出ても気にしなかった。
明確な痛みを与えられたエドワードの身体は本能的にガタガタと震え始める。普段の姿からは想像もできない態度だ。子供に興味などみじんもなかったが女の子らしい怯えに暗い笑いが漏れた。
処女の相手などしたことがないロイは何をどうすれば手っ取り早く『躾』られるだろうかと考えた。その間も乱暴な手つきでエドワードの小さな胸の頂をつまみ上げ、もう片方の手はエドワードの口に突っ込んでいる。数回エドワードが牙を立てたので今度は拳で頬を殴った。現役の軍人が本気で殴れば、このくらいの少女の頬骨を砕くなんて簡単なことだ。もちろんそんなことをしては咥えさせることができなくなるし、他の者にも咎められるのでやらないが。
「ウヴォ、エ゛あが ぐぉあっ」
指をしゃぶらせ口内を蹂躙するのはたいして面白くないと思っていたが、これはなかなか面白かった。指を奥へ入れるたびにエドワードが強制的にえずき、生理的な涙を浮かばせ、女とは思えない喘ぎ声をあげるのだ。
だんだん虚ろになってくる瞳。
この瞳に焔をともしたのはかつての自分。
自分で築き上げたものを一気に壊すというのは子供がするような楽しさがあった。
ぎ、ぎ、と乳首をつまむ。陥没していたそれは外気に触れたからか立ち上がりビンビンに出来上がっていた。赤くうっ血した色が白い肌と合わさって卑猥だ。
「やぁ……っあぅっあっ、あーっひっ」
「いいね。よく感じてる。案外淫乱な気でもあったか。旅先でもこんなことをして情報を経ているんだろう?」
「やあっ!」
「乳首もこんなに……子供とは思えないな。舐めてほしいのかい?」
「うううう~~っ!」
もちろん舐めてなどやらない。気持ちよくするのが目的なのではなく、エドワードで暇をつぶすことが大切なのだから。
「ああ……君の唾液でべたべただね……」
飲み込むタイミングがわからなかったのか飲み込みたくなかったのか。それはわからなかったがロイの手には粘性の高い唾液がべっとりと付着していた。ぼたぼたと自分の腹に落ちるそれを見てエドワード恥ずかしくなって腕で顔を隠そうとする。
けれどそれをロイが許すはずもなかった。
「いっそ、機械鎧を外して左腕を折ってしまえばいいのかな?」
「ひっ……」
エドワードの瞳はすっかり恐怖に彩られ、焔など掻き消えていた。
解放されるまで耐えるつもりでいるのか唇をかみ、硬く目をつむる。――そんなことしても、無駄だというのに。
「ふふふ……ああ……こっちも興味があるかな」
ベルトに触れた瞬間エドワードが弾かれたように起き上がりロイの手を払おうとしたが、前髪を掴んでソファーの硬いところにたたきつける。一瞬意識が昏倒した間に、最後の砦だったベルトは呆気なく床に投げ捨てられた。
一気にズボンをずりおろし、パンツを下すのは手間だったので近くにあったハサミでクロッチ部分を切り裂いた。
「ひっ!」
ハサミの冷たい感触に驚いたのだろう、凶器を視界に入れた瞬間エドワードの身体が硬直した。
そんなにおびえずとも、ハサミで性器をいじる趣味はない。――いや、時間が余ったらやってみるのもいいかもしれない。ガラスを入れてもいい。力を入れれば切れたり砕けたりして膣の中がずたずたになる。そう脅して遊ぶのも一興だ。
「……酷い傷跡だな」
目に入ったのは膝に残された人体錬成の傷跡だった。醜いケロイド状になった接合部は見るに耐えられず、しかしこんな背徳的な行為の最中にはいいアクセントになる。
「なん、なんだよあんた……っあんでこんなこ、と、ひぅっ」
傷口と機械鎧の接合部に思い切り吸い付いた。ここは神経がむき出しになっているようなものなのか、敏感に跳ね上がった。
太ももをなめ上げ、膝の裏を吸ってやる。少し優しくされれば簡単に罵声がやむ子供の安直さに、笑い出すのを我慢した。
「なんで? ……なんで、ねえ」
繰り返すが、ロイは暇だった。
暇で暇で暇で、ただ、ストレスを発散したかった。
理由はそれだけだ。
だから、前戯もなしに十四も違う少女の膣内へいきり立ったものを突き刺した。何の気づかいもいらない。『コレ』はそんなもの必要ない。
「ああ゛っ!? 痛ぃ! いた、いやああーーっ!!」
「……っは、狭いし、浅いな」
「いやぁ゛っ つか な、 づかないでぇええぇ!!」
どん! と一度の挿入で行き着いたのは少女の子宮口だった。この年でポルチオを覚えてしまえばきっとこの先のセックスで苦労するだろうと思うともう止められない。一度覚えてしまえばこれからこの子供は愛した人間との甘ったるいセックスに我慢できなくなるだろう。今はまだ痛がっているだけだが、しっかりと調教してポルチオを覚えさせようと思った。
ぐちゅぐちゅとペニスに塗ってあったのは先ほどエドワードの口で絡ませた唾液だ。エドワードに使うローションなど、ない。
「アァ゛ あ゛ あー ひい や゛ぁあ」
身体を弓なりにしならせて白目をむいて喘ぐ子供。身長はロイの半分を越したくらいで、胸にも届いていない。腰を掴めば身体全体が持ち上げられてしまう軽さで、薄い腹はロイがグラインドを繰り返すたびに形を変えた。
いっそこのまま突き破ってしまったらどうなるだろう。
ロイは形を変え続ける腹に手を添え、外から圧迫してペニスを膣壁にすりつけた。エドワードのGスポットは年齢らしくロイのペニスの長さからしたら浅いところにある。外からの刺激でGスポットも刺激してやっているのだ。
「感謝してほしいくらいだね。君にもきちんと快楽を与えてやっているのだから」
泣き続けるその顔を殴る、殴る、殴る。
髪の毛を掴んで、首を絞めつけて、指を少女の口腔に突っ込む。
「は、いいね。よく締まる」
処女膜から血が大量に流れだした。明らかに多すぎる出血だったが気にしなかった。床のカーペットは赤だから気にならないし、ソファーも黒だ。何かあればエドワードに舐めさせるのもいいかもしれない。人間としての尊厳を根こそぎ奪ってしまえばいい。四つん這いにさせて、はいつくばって舐めさせながら、自分はこの子の中を貫いて。
舐め終わるころを見計らってついてやれば泣きわめいて再び唾液なり愛液なりを床に散らして、終わることのない行為に絶望するだろう。
エドワードを前にするとやりたいことが多すぎてなかなか決められない。いつもはお嬢様だったり、経験豊富な女性を選ぶことが多いのでそんな遊びはできないのだ。
その点エドワードは何でもできる。
だって、この子供は自分の犬なのだから。
「ほら、もっと絞めるんだ」
「ひっ、ごめ、ごめんな さ ごめんなさ ごめ 」
「うるさい」
また、殴る。
「いいから言われたとおりにしろ。これは命令だ」
「あ は はい、 わかった、やる、だか だか ら、いたいの、もう」
「黙れと言った」
また、殴る。
「ひっく、ううう……う~……!」
ずんっ!
「あ゛ひゃぁああ!?」
いい加減にいうことを聞かないのでエドワードの子宮口を無理やりこじ開けて鬼頭をねじ込んでやった。子宮口を刺激して快感を与えるポルチオも、子宮口の中に挿入するのも初心者はかなりの激痛を伴う。体格がここまで違えばなおさらだろう。
それでももちろん、やめるつもりはない。
「え……な、な、」
「まさかあれで全部入ったと思ったのか? 意外と楽観的だな」
呆れたように嘲笑して見せればエドワードの表情は完全に強張って、身体は痙攣し始めた。その目が完全に恐怖に染まる。――絶望は、これからだというのに。
「ほら……見てごらん?」
優しく、微笑む。そしてゆっくりと覆いかぶさっていた身体をどけてやった。
がちがちがちがち
歯を鳴らして震える少女。
怖がるからどいてやったのに、失礼な子だ。
「うそ、」
くすくすくす。ロイは笑う。
体を起こしたから、光が当たって、露わになる、ソレ。
エドワードの膣からはみ出た、ロイのペニス。
「や、やぁあああっ!!」
ロイのペニスはすでにエドワードの子宮に到達している。まだ子宮壁にはぶつかっていないが中に鬼頭が入り込んでいるのだ。
なのにロイの腰とエドワードの臀部はあと5センチ以上離れていた。男にしては白い肌と、脈打つ浅黒いそれは全く別のもののようで、エドワードの恐怖をさらにあおった。
「むりっ、むりだ! もうやめて……っはいらなっ!!」
「ははは、まさか」
まだいけるだろう。
――それは、エドワードにとって、死刑宣告に等しかった。
鬼頭はすでに子宮口を突破。もう、拒めるものは、何もなくて。
ドンっ!!
「あぎぃっ!!」
「ほら、あと2センチ」
エドワードの口からはすでに泡があふれていて視線は定まらず白目をむきっぱなし。それでも突けば突くほど泡が弾けて、横隔膜がロイのペニスに押されて痙攣し、喘ぎ声が上がる。
ああ、まるで嬌声だ。
ロイは少女の叫び声に陶酔感を覚えてうっとりと微笑んだ。暇で腐りそうだった脳みそがはっきりしてくる。感覚が研ぎ澄まされて情欲がつのった。
「あと、少し。」
すでに子宮は身勝手な侵入者によって酷使されている。それでもここまで来れば入れてしまいたい。
女の子宮の中に入ったことはなかったが、ここまで心地よいものだとは思わなかった。子宮口がペニスをグラインドする際鬼頭に吸い付いて離さない。それを振り切って産道に戻り、再び子宮内に推し進めれば鬼頭に口が引っ掛かって気持ちいい。
女の子宮はこんなに楽しいのか。
新たな発見に子供のように感情が高ぶった。それがそのまま快楽へと変換され息を荒げる。
再び大きく腰を引いて、――とどめを刺した。
「ああっぁああああっあ あっ ああああああ!!」
気絶していたエドワードの意識が再びこちらに引き戻され、自分の身体をぎりぎりまで引き裂いた異物の感触に目を剥く。
ぺろりとロイは唇をなめた。
なんというか、少女の身体はロイにとってちょうどいいサイズだった。こんなに小さな体で自分のすべてを受け止めたのかと思うと急にこの少女がかわいらしく見えて、少しくらい優しくしてやろうという気持ちが沸き上がったのだ。
「鋼の……よくがんばったね」
呆然と泣き続けている少女のこめかみにキスをしてやる。リップ音を響かせて、心からの愛情を注いでやれば、エドワードは信じられないものを見るようにロイを見た。
エドワードの顔はいつのも面影などみじんもなく、か弱い少女でしかなかった。ロイの手がいつ振りあがるのかとびくびくして、目の周りは赤くはれている。鼻水か汗か涙か唾液かわからないくらい顔はべとべとだ。
「えらいえらい。……いい子だね、君は」
すんすん、と泣き続ける少女は愛らしい。体の力はもう完全に消えていて、ソファーの上に胡坐をかき、抱き込むように座らせたが抵抗は何もなかった。
ふとそこで、ロイはエドワードの身体からとてもいいにおいがすることに気付いた。
今まで嗅いだことのない匂いだった。お嬢様やご婦人方は皆それぞれオーダーメイドの香水を身に着けていて、正直気に入ったことはない。明らかに人口の匂いに気持ち悪くなって行為を中断したこともあった。
この子供はそんなもの、つけていない。
ならこの匂いはいったいなんなのだろうか。
なんだか嗅いでいるとムラっとした感情が噴き出てきて、ペニスがさらに硬く、太くなったのが分かった。
……エドワードにとって不幸中の幸いだったのは、激痛の連続によってすでに下半身の感覚がマヒしていたことだろうか。
「な あ、」
「なんだい?」
「お おわ り? ゆるして くれる の」
しばらくその匂いやエドワードの子宮の中を堪能していると、動かなくなったロイにエドワードは行為が終わったと思ったらしい。
退屈させてしまったかな、とロイは口角をあげた。
「そうだね、終わりだ」
――私が射精したらね。
「ひ……っ」
ぐわん、と、エドワードの視界が大きく揺れた。ロイがエドワードの腰を持ち上げて一気に突き入れたのである。
「いた! いたい!! やだっもういたいのはいやああ゛あっっ!!」
再び火が付いたように泣き始めた子供を、今度は煩わしいとは思わなかった。自分の一挙一動に敏感に反応を返すエドワードは見ていて飽きないし、少し重心を後ろへやれば、落ちる恐怖に反射的にロイの肩につかまってくる。
コレガオワレバ カエシテアゲル。
ホラホラ、アト スコシダヨ。
シッカリ チツヲシメテ。
ワタシノ セイエキ ガ ホシイト ナイテゴラン。
まるで洗脳だ。すでに思考回路など一切働いていないエドワードの耳に吹き込むように『解放の条件』を呟き続ける。
「あはっ ああんぅっ! ひぃあっあっ ああっ」
「ほら、言ってごらん」
そうしたら気持ちよくしてやろう。――もう、戻ってこれないくらいの快楽を与えてやろう。
反応の良すぎる素直な体にロイは機嫌が上昇していた。あの「鋼の錬金術師」から『精液がほしい』なんて言われた日には征服感で満たされ、この哀れな小娘に慈悲を与えてやろうと思うくらいには、機嫌がよかった。
しかし、どんなに辱められてもこの少女は「鋼の錬金術師」であったのだ。
「ぁだ……っ」
「――ん?」
「ナカは、いやだ……っ!」
先ほどまで虚ろだった瞳が、意志をもってロイをとらえる。
これは。
「ナ カ に出し たら ころ してや る……!!」
「――は。」
容赦なく、ロイはエドワードの子宮を突き上げた。
「あひぃい゛いぃ゛っ!! あがっ! ひ いんん゛ん!!」
「は はは! いい度胸だな……っ」
面白おかしくロイは笑い声をあげて腰のスピードを速めた。
「ほんと……君は飽きない……っ」
ロイは身体がぞくりと震えたのが分かった。別にエドワードの殺害宣言が気に障ったわけではない。むしろその逆だ。
ここまでされてもまだ自分を見失わない。いっそすがすがしく、そしてそんな少女が今、自分に無様に犯されて、喘ぎ、この状況を打破しようとしているさまが、どんな景色より興味をそそった。
「口を開けなさい」
「うぐっ」
命令すればその反対のことをする。唇をかみしめて逃げようとするのは勝手だが、それではロイが面白くない。
乱暴に少女の髪の毛を掴んだ。さっき振るわれた暴力を思い出したのだろう、身体が委縮し硬くつむった目からは涙があふれだした。命令に背いたら痛い思いをするというのはよく身にしみてわかったらしい。ロイはほくそえんだ。
「口を、開けろ」
ぎ、髪を掴んだ手の力が強まった。それを感じ取ったエドワードはガタガタと体を震わせ、数秒後にゆっくり唇を開いていく。
硬く目をつむったまま、大きく縦に口を開いたエドワードは震えていて。そこまで開かずとも少し唇を開けるだけでよかったのだが、ふとロイはいいことを考えついた。
べ、と舌を出し、自分の唾液を少女の口内に落とす。
何をされているか何となくはわかっているのだろう。少女の涙は止まることを知らないようだった。
飲み込みたくない。その意思はわかったが、ロイは溜まっていく唾液にさらに唾液を追加していく。
そしてエドワードの口内がロイの唾液でいっぱいになったのを確認すると、短く命令した。
「飲みなさい」
首を小刻みに横に振って拒否するエドワードだったが、ロイからの許可は一切なかった。
飲み込まなければまた殴られる。
でも、飲みたくない。
ロイがクスリと笑って、エドワードの腰をゆっくり撫で上げた。
「それとも、こっちで飲むかい? ナカで出しても、私は構わないが?」
「…………っ!」
エドワードは口を閉じた。
閉じて、俯いて、涙をボロボロとこぼしながら。
ごくっ……
一度大きく響いた音は、ロイにもきちんと聞こえた。
「全部、飲みなさい」
追い打ちをかける命令に吐き出したいのを我慢して少しずつ飲み込んだ。ロイの唾液はエドワードの唾液と混ざって粘つくような感触がして、喉に張り付いているような違和感が消えない。
それでもナカで出されるよりは。
これで許してもらえるなら。
その一心でエドワードは唾液を嚥下した。
「口を開けて。見せなさい」
また、口を大きく開ける。
すべて飲み下されたことを確認して、ロイは頬を上気させた。興奮が冷めやまない。自分の言うことを聞く従順なペットにいとおしさが沸き上がる。ご褒美とばかりにエドワードの舌を舌で絡みとって口内を蹂躙した。
「ん、んんっ うううんっ!」
最初とは違う、性感帯を確実に嬲っていくロイの舌にエドワードの身体が大きく跳ねた。明らかに恐怖ではない、他の何かに浸食されていく感覚にエドワードの頭は混乱しかなかった。
ロイの大きな手で胸をもまれ、くすぐるように乳首を摘まれ弾かれ。
ビンッ! と痺れるような何かが下腹部に集まっていく。
キスをされたまま胸をもまれ、腰を巧みに使ったグラインドで子宮を嬲られ、痺れがだんだん大きくなっていくのを感じて、エドワードは必死に体をひねった。
しかしそんな抵抗は簡単にロイの手に阻まれ、頭が真っ白に染まっていくのを止めることはできなかった。
「はぁあ……っいや……っ」
「気持ちいいかい? ……濡れてきた」
「ああっ嘘だ! そんなわけない!」
「どこが嘘なんだい?」
「ひんっ」
ロイの指が、初めてエドワードのクリトリスをつまみ上げた。
今まで自慰もしたことのなかったエドワードにその感覚は強すぎて、一気に駆け上ってしまいそうになる。その間もペニスの挿入は激しさを増し、クリトリスへの刺激による快感に膣内が引きずられて収縮を繰り返し始めてしまった。
「はっ、は……イイ、よ。――ナカに出すぞ……!!」
「はぁぁ……ひあ、あ え?あ!?」
ロイのペニスが、目に見えて膨らんだ。
ロイの信じられない言葉にエドワードの悲鳴が飛ぶ。
「なんで! ナカに出さないって……! ああんっ! あっ はあっ ああああん! やだっやだやだやめてたいさぁあああっ ナカはいやああああっ!!」
――ずん、と、子宮の最奥を突き上げて、ロイのペニスがはじけた。
びゅるびゅる びゅーーーっ
勢いよくたたきつけられる音は脳に響き渡り、熱い飛沫は子宮を満たしていくらか逆流してくる。逆流した精液がきつい膣内を押し分けて、わずかな隙間から辺りへ飛んだ。
真っ白になった脳は、初めてそれを快感と認識してしまった。
「ああ……あああああ……っ」
「……っは」
ロイのペニスがゆっくりと、惜しむように引き出される。その刺激まで快感に感じてしまう自分の身体が怖い。
ロイのペニスが引き抜かれてもエドワードの中から精液は垂れてこなかった。子宮の中に射精したせいもあるのだろうが、何よりロイの精液は粘度がとても強かった。そのくせ量まで多かったのである。いたるところにこびりついて外まで降りてこない。
「うん、むぁ」
まるで労わるようなキスが下りてきてエドワードは拒むこともできず受け入れた。
「やだ……やだぁ……っひっ うぇぇぇん……うぇっ」
ドロドロしたものが自分の下腹部に残っている。指で掻き出そうとしたけれど、奥まったところに出されたから当然指では届かない。
必死に指を陰部に差し込むエドワードの姿は卑猥そのもので、再び少女を押し倒し自由を奪うとなんの躊躇もなくペニスを突き刺した。
「やっ、やだ……っもっもうやめろよぉぉおっ ひぅっ、ひっ、ナカはもうだめ……っあかちゃん……っあかちゃんできちゃうからぁ……っお願い、ナカは、ナカはもう……っ」
あまりに幼い泣き言にロイは一瞬驚いて、なだめるようにキスを落とした。
あかちゃんとはまた、かわいらしい言い方をする。
さすがにこの年ではもう生理が来ているらしい。だからと言ってこの行為をやめる気は、ロイには微塵もなかった。
だが生意気としか思わなかったこの子供がかわいい一面を持っていることを知って、少々の手加減はしてやろうかとは思った。
「そうか、じゃあ掻き出さなければいけないね」
「うん、だから、なぁっ」
「掻き出してあげているだろう?」
顔面蒼白になっていくエドワードに本心から微笑んだ。
男性器は鬼頭にえらを持っており、それの役割は最初に入っている精液を掻き出すことである。他者の、もしくは自分の古い精液を掻き出し、新しい自分の精液をメスに孕ませる。そのための機能だ。
その意味することがエドワードにはわかったのだろう。
この行為は終わらないのだ。ロイが飽きるまで。
ナカがいっぱいになったら何度だって掻き出して、その過程で太く硬くなったペニスは再び精液を少女につぎ込むだろう。
ロイは愛情をこめて、少女の首を絞めた。
「感じてはいけないよ。これは君が望んだ『作業』なんだから。もしイったりしたら、わかってるね」
残酷な遊びは、まだ始まったばかり。
「機嫌がいいですね」
「そうかな?」
「ええ。書類がはかどってます」
狂った宴が終わればすべては元通り。
どろどろになった少女はまるで人形のようにベッドの上。
「面白いものが手に入ってね」
副官には見えない角度で笑う。ああ、今日だけで何度笑っただろう。
ロイは満足感に包まれていた。ここ数年ずっと感じられなかったものだ。国を守るために国民を殺す矛盾に心を砕かれたあの日から、ずっと欠けていたもの。
――あの子が、ほしい。
身体はすでに手に入れた。でもまだ駄目だ。これでは不十分だ。
完膚なきまでにあの子供を自分のものにしたい。
しかも壊すことなく、あのまま。
「まさかこの年になって初恋とはな」
くつくつと低く笑うロイを、その副官は見なかったことにした。
この男が何をしたのか大体わかっている。それでも、口は出さなかった。
もし被害者である少女が自分に助けを求めたのなら、迷うことなく引き金を引くことだけは、決めたけれど。
「さて、……どの情報がいいかな」
あの子供の身体と等価になるものなどないような気がしたが、それでも少女は情報を望むだろう。数枚の報告書からそれらしき情報を抜き取り、写しておく。
これからどうやってあの子供を自分のものにするか、心が弾む。
もう暇だなどと言っていられない。
あの子供を手に入れるまでそんな暇はないし、手に入れれば入れたで騒がしい日常が待っているだろう。
「あかちゃんね……可愛らしいことを言うものだ」
ギャップとはこういうことを言うのだろう。
ロイは深く微笑んで、情報をピンで留めた。
少女を愛おしという感情がこれから肥大化し、自分で手が付けられなくなるほどに成長することを、この大人はまだ知らない。
ほしいと願い乞うことになるのは自分のほうだということを、まだ知らない。
東方司令部は今日もいつも通り。
裏口から体を引きずって出て行った少女のことなど、誰も知らないまま。
*
たぶん、好きだったんだと思う。
でもそれはあいつ自身が壊して、粉々にして、もう元には戻らない。
あいつは俺に呪いをかけた。
それは一生解けない呪い。
だから決めたんだ。
おれは――
********
Black lily …〔クロユリ〕
花言葉『呪い』『恋』